西村一広のJORAロリアンClass40合宿/WS安全講習受講レポート(2020年2月10日〜2月18日)
こんにちは。松苗幸希さんの「幸希が行く」シリーズいかがでしたでしょうか。ロリアン編の最後を締めるのは帯同しているセーリングコーチの西村一広氏のレポートです。お楽しみください。
文:JORAコンサルタント&コーチ 西村 一広氏
今回のロリアンClass40合宿/WS安全講習受講メンバー
JORA代表 北田浩
JORA支援セーラー 松苗幸希
JORAコンサルタント&コーチ 西村一広
JORAサポートスタッフ/通訳 パトリッツィア・ゾッティ(在フランス)
2020年最初のJORAキャンペーンとして、PRIMO CUP2020(プリモカップ2020。モナコヨットクラブ主催。2020年2月6日〜9日)に、L 30クラスで参加した後、フランスのロリアンに移動し、1週間の合宿に入った。メンバーは、現地サポートと通訳が結城麻菜さんからパトリッツィア・ゾッティさんに交代し、他の3人は引き続き同じメンバー。
今回のロリアン合宿の、主な目的は二つ。
一つはJORA支援セーラー松苗幸希選手に、L 30クラスと比べて、サイズもパワーもスピードも数段上のクラス40でのセーリングを、コーチ陣が指導の上で経験させること。もう一つは、ワールドセーリング公認の安全講習とメディカルトレーニングを松苗選手が受講して、外洋レース中に事故を起こしたとき、事故に遭ったときに、生存の可能性を高めるために、適性に行動できる技術と知識を身に付けるとともに、ヨーロッパでのカテゴリー2以上の外洋レースに参加するために必要な資格を得ること。
松苗選手のクラス40でのセーリングでは、JORAの北田代表、フランス現地スタッフのパトリッツィア・ゾッティー、コーチの西村に加えて、クラス40トップセーラーの1人Louis Duc(ルイ・デュック)選手(フランス)も乗艇して、4人の指導者陣が松苗選手をサポートする体制が取られた。
ウォーターバラストを左右入れ替えながらのクローズホールド、複雑なアンファーリング、ファーリング技術が必要なジェネカー操作、クラス40ならではのパワフルなダウンウインドなど、短期間ではあったが内容の濃いセーリングができた。ロリアンはフランスのブルターニュ半島先端近くに位置する、大西洋に面した港町。冬のこの時期の大西洋は厳しいコンディションが続くが、有効なトレーニングができるコンディションを選んだことで、クラス40に初めて乗る松苗選手にとっては特に、実り多いセーリングになったと思う。
合宿後半は、ワールドセーリング公認の安全講習&メディカルトレーニング(連続3日間)に当てられた。このトレーニングの詳しい内容と、その講習の様子については、松苗幸希さんのレポートを参照してもらいたい。
ロリアンには大西洋横断レースから帰ってきたたくさんのクラスミニ6.5mや、トレーニング中のフィガロ3艇団、クラス40艇団、最新鋭のIMOCAクラスなどが揃い、それぞれが平日・週末を問わずセーリングに明け暮れている。その様子を間近に見ながら合宿した松苗選手には、ヨーロッパにおけるオーシャンゴーイングの本格的外洋レースの人気の高さ、認知度の高さを知っただけでも、今後の活動に向けて、得るところが大きかったはずだ。
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