守屋有紗のRoad to Ocean Sailor vol.6【外洋ダブルス世界選手権に向けての練習〜Figaro3にて〜】
こんにちは、守屋有紗です。
私と北田さんは、8/26-9/26にイタリアで開催される、外洋ダブルスの欧州選手権と世界選手権に日本代表として出場することが決定しました。
JSAF HP
https://jsaf-osc.jp/nor/nor_news_051.php
この大会は、イタリアの左上からスタートし、8つの都市を渡りながらレースをするという、ツアー大会になります。
イタリアの西側を南下していくのがEuropean Championship、東側を北上していくのがWorld Championshipです。
● European Championship(ヨーロッパ大会):「EUROSAF 混合ダブルス ALILAURO オフショア欧州選手権」
● World Championship(世界大会):「HEMPEL 2021 オフショア世界選手権」
大会公式HPより参照
http://www.nastrorosatour.it/calendar.aspx
実は、大会2ヶ月を切った時点で、大会での使用艇が急遽変更になり、1レース毎の距離も短くなる、という大幅な変更がありました。
先日の、2024年パリ五輪での男女混合キールボートオフショアが非採用になった結果を受けての変更なのだと思いますが、あまりにも急なことで、これから新たに大会に向けての準備や練習が必要になりました。
今日は、大会で使用されることになった、Figaro3という艇種での練習の様子を報告したいと思います。
今回は、Figaro3で大会出場を重ねている、スペイン人のペップに、艇のレンタルとコーチをお願いしました。
練習は2日間という限られた時間。密度の濃い練習ができるよう臨みました。
ペップは若くてフレッシュな好青年です。今回も一つひとつ丁寧に教えてくれました。
Figaro3は、BENETEAUの36ft (10.85m)のヨットです。
■練習1日目
北田さんも私も、初めての艇種ということで、まずは一通り、ペップにお手本を見せてもらいます。
艤装の確認から。
風は15kt前後の南西の風。
私にとって新鮮だったのが、左右にあるフォイル。
Figaro2まではウォーターバラストが付いていたそうですが、Figaro3からはその代わりにフォイルになったとのこと。
出し入れは、両サイドにある、フォイルを出すシート、入れるシートをそれぞれ引くことで行います。
基本的にはハーバーを出たら全て出した状態で固定してセーリングするそう。
ジブを上げて上りの練習です。
ジブはハンクス。ハリヤードはコックピットまでリードされていますが、マストでも上げて固定することができます。
コード0をセットします。
コード0の上げ方はClass40や他の艇と大きく変わりなさそうです。
ペップの横で確認しながらセットします。
3枚張り
次はジェネカーのセット
ジェネカーはバックからホイストします。
タックだけ、ファスナーでまとめてありました。
スムーズにアップ
この後、ジェネカーランとジャイブの練習をしました。
Figaroは、Class40を小さくしたような感じで、Mini6.5の艤装にとても近いとのことです。
私にとっては、Class40よりセールサイズも小さく、艤装も単純で、今まで乗ったことのあるボートに近いため、クルーワーク自体は慣れやすいかなと感じました。
舵は軽く、スピードもあるように感じました。
YouTube等でFigaro3の動画を見る限り、強風時はかなりのスピードになり、波も全て前からかぶるような、ハードな状況になりそうです。
まずは微風〜順風での動作を完璧にして、強風時やトラブル時にも対応ができるよう、練習したいと思います。
■練習2日目
明日からの外洋トレーニングに向けて、朝からPCR検査へ行きました。
フランス以外の国への入港の可能性があるためです。
フランス人は予約なしで毎日無料で受けられるそうで、検査場では行列ができていました。
ただ、これまでは誰でも無料で検査可能だったのが、3日程前から制度が変わり、外国人は別の場所で受けないといけないとのこと。
ここへ行きなさいと場所を教えてもらいます。
病院に着き、順番を待ちます。
私たちは無事その場所でPCR検査を受けることができました。(約€50)
翌日、陰性証明書が送られてきました。(衛生パスポートとして使えるとのこと)
ハーバーに着くと早速練習開始です。
5kt-10ktの微風…ですが、動作練習には丁度良いかと思います。
昨日クルーワークを一通り教えてもらったため、今日は私と北田さんの2人で動作の練習をします。
まずはジブで上りの練習。
微風でもスピードを落とさないように、丁寧に走らせます。
タックも繰り返し練習。
ジェネカーもアップし、繰り返しジャイブの練習をしました。
微風でのジャイブは感覚を掴むのがとても難しく感じました。
動作練習が多く、写真をあまり撮れませんでしたが、最後はコード0も上げて練習することができました。
船内の様子
確かに、Class40の船内にそっくりです。
ハーバーバック
〈まとめ〉
今回の練習では、1日目に動作を見て学び、2日目に実践で繰り返し練習することができました。
初めての艇種でのダブルハンドは、慣れないことも多く大変ではありますが、乗る度に改善を繰り返し、北田さんと私のお互いの強みを活かしながら、息を合わせてレースができたらと思います。
今回学んだことを復習し、自分の身につけるとともに、次の本番前の練習では今後の課題を重点的に練習していきたいと思います。
次回のブログは、いよいよ10日間トレーニング(約1200マイル)の出発についてです。
お楽しみに、、!
〈おまけ〉
今日のハーバー
守屋有紗(もりや ありさ)
1996年生まれ
大阪府大阪市在住
【活動記録】
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